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もの忘れ・認知症

当院では、地域のみなさんの「最近、もの忘れが増えた気がする」「家族の様子が以前と違う」といった不安に寄り添った診療を行っています。もの忘れは加齢による自然な現象であることも多いですが、中には認知症の初期症状として現れている場合もあります。当院では、単に検査結果を出すだけでなく、患者さんの生活リズムやご家族の状況をふまえ、全身の健康状態を丁寧に確認します。些細な変化でもまずは気軽にご相談ください。早期に適切な対応を行うことで、症状の進行を緩やかにしたり、生活の質を維持したりすることが期待できます。

もの忘れ・認知症の原因

もの忘れや認知症のような症状が現れる原因は一つではありません。脳そのものの変化だけでなく、身体の病気や生活習慣、心の状態が複雑に絡み合っています。当院では、以下の視点から原因を探っていきます。

脳の神経細胞の変化

認知症の多くは、脳の神経細胞が何らかの原因で壊れたり、減少したりすることによって起こります。代表的なアルツハイマー型では、特定のタンパク質が脳に蓄積し、神経細胞を損傷させることが考えられています。また、脳の血管が詰まったり破れたりすることで、その周辺の細胞がダメージを受けることも大きな原因となります。

生活習慣病の影響

高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は、認知症、特に血管性認知症のリスクを高めることが知られています。血管の健康状態が悪化すると、脳へ十分な栄養や酸素が届かなくなり、認知機能の低下を招きます。当院では内科クリニックとして、これらの生活習慣病の管理を徹底することで、脳の健康維持をサポートしています。

生活習慣病についての詳細は「生活習慣病」のページを参照してください。

その他の身体的・精神的要因

認知症と似たような症状を引き起こす疾患も存在します。これらは適切な処置によって症状の改善が期待できるため、見極めが非常に重要です。

  • 甲状腺機能低下症などの内分泌疾患
  • ビタミン欠乏症などの栄養障害
  • 正常圧水頭症(脳脊髄液が溜まる病気)
  • 慢性硬膜下血腫(頭を打った後に血腫ができる病気)
  • うつ病などによる意欲の低下

もの忘れの原因となる病気

「もの忘れ」という症状の背景には、さまざまなタイプの認知症が隠れている可能性があります。それぞれの病気によって、現れやすい症状や経過が異なります。

アルツハイマー型認知症

認知症の中で最も多いタイプで、新しいことを覚えるのが難しくなる記憶障害から始まるのが特徴です。ゆっくりと進行し、次第に時間や場所がわからなくなる「見当識障害」などが現れます。ご本人に自覚がないことも多く、周囲が変化に気づくことが重要です。

血管性認知症

脳梗塞や脳出血などの血管障害によって起こる認知症です。ダメージを受けた場所によって、できることとできないことがはっきり分かれる「まだら認知症」の状態になりやすいのが特徴です。歩行障害や感情のコントロールが難しくなる症状が伴うこともあります。高血圧などの管理が進行抑制の鍵となります。

高血圧の管理については「高血圧」のページを参照してください。

レビー小体型認知症

脳内に「レビー小体」という特殊なタンパク質が蓄積することで起こります。実際にはいないものが見える「幻視」や、手が震える・歩きにくいといったパーキンソン病のような症状(パーキンソン症状)が特徴です。日によって、あるいは時間帯によって症状の重さが変動しやすい傾向があります。

前頭側頭型認知症

脳の前頭葉や側頭葉が萎縮することで起こります。記憶障害よりも先に、性格の変化や、社会的なルールを守れなくなるといった行動の異常、言葉の出にくさが目立つことが多く、比較的若い世代でも発症することがあります。

もの忘れ・認知症の処置や治療法

もの忘れや認知症の治療の目標は、患者さんが住み慣れた地域で、その人らしく安心して過ごせる期間を長くすることです。当院では、お薬による治療だけでなく、生活全般のサポートを重視しています。

薬物療法

現在広く用いられているお薬には、記憶に関わる物質を補ったり、神経細胞の過剰な興奮を抑えたりする効果が期待できます。これらは病気そのものを完全になくすものではありませんが、進行を穏やかにしたり、日常生活の支障を減らしたりすることを目的として使用します。当院では、お薬の副作用や飲みやすさを考慮し、患者さん一人ひとりに合わせた処方を検討します。

非薬物療法(生活習慣の調整)

脳への刺激を適度に保ち、規則正しい生活を送ることは非常に大切です。散歩などの軽い運動や、指先を使う趣味、周囲の人とのコミュニケーションは、脳の活性化につながります。また、混乱を防ぐために、部屋のカレンダーを大きくする、物の置き場所を決めるなど、生活環境を整えるアドバイスも行っています。

原因疾患の治療と生活習慣病管理

血管性認知症を予防・抑制するためには、根本となる糖尿病や脂質異常症の治療が欠かせません。当院では血液検査などの結果をふまえ、無理のない範囲での食事療法や運動療法、薬物療法を組み合わせて提案します。

糖尿病の詳細については「糖尿病」のページを、脂質異常症については「脂質異常症」のページを参照してください。

介護保険や地域のサポートとの連携

認知症の診療は、クリニックの中だけで完結するものではありません。介護サービスの利用を検討されている方には、ケアマネジャーさんや地域の医療機関と連携し、適切なサポートが受けられるようお手伝いします。ご家族の負担を軽減するための相談も大切にしています。

介護に関するご相談は「介護・在宅に関する相談」のページを参照してください。

もの忘れ・認知症について~よくある質問~

Q1. 単なる「年のせい」のもの忘れと認知症はどう違うのですか?

A1. 一般的な加齢によるもの忘れは、体験の一部を忘れる(例:朝食の献立を忘れる)もので、ヒントがあれば思い出せることが多く、日常生活に大きな支障はありません。一方、認知症によるもの忘れは、体験そのものを忘れる(例:食事をしたこと自体を忘れる)ことが多く、ヒントがあっても思い出せません。また、忘れていることへの自覚が乏しい点も特徴です。

Q2. 本人が受診を嫌がるのですが、どうすればよいでしょうか?

A2. 無理に「認知症の検査」と言って連れてくるのではなく、「血圧の相談に行こう」「健康診断を受けに行こう」といった誘い方がスムーズな場合もあります。当院は一般的な内科クリニックですので、まずは風邪や健康管理のついでに立ち寄っていただく形でも構いません。ご家族の方だけで先にご相談に来られることも可能です。

Q3. 認知症は早期発見することにメリットはありますか?

A3. はい、大きなメリットがあります。第一に、処置によって改善が期待できる病気(ビタミン欠乏や慢性硬膜下血腫など)を早期に見つけることができます。第二に、早期から適切なケアや環境調整を行うことで、進行を遅らせ、ご本人もご家族も余裕を持って将来の準備を整えることができます。早く始めるほど、選択肢は広がります。

Q4. どのような検査を行いますか?

A4. 当院では、まず問診でご本人やご家族から詳しくお話を伺います。その後、簡単な記憶のテストや血液検査を行い、身体的な異常がないかを確認します。さらに精密な検査(MRIやCTなど)が必要と判断した場合には、連携している病院をご紹介し、その結果をもとに当院で継続的な診療を行います。

院長より

「もの忘れ」という言葉には、誰しもが少なからず不安を感じるものです。しかし、早期に対応することで、その後の生活をより穏やかに、健やかに過ごせる可能性は十分にあります。当院は、患者さんの脳の状態だけでなく、全身の健康状態をトータルで診ることを大切にしています。

当院の強みは、地域に根ざした小規模なクリニックだからこそできる、きめ細かな対話です。大きな病院ではなかなか相談しにくいような小さな生活の変化や、ご家族としての悩みも、当院ではしっかりとお聴きします。診察では、お薬の継続しやすさはもちろん、食事や運動、睡眠といった生活のリズムを一緒に見直すことから始めます。無理のない治療プランを一緒に考えていきましょう。

また、食欲の低下や体調不良が認知機能に影響していないかなど、多角的な視点で診療を行います。精密検査が必要な際は、当院周辺の基幹病院とも緊密に連携しておりますのでご安心ください。患者さんとそのご家族が、住み慣れた横浜の街で安心して暮らしていけるよう、医療と介護の両面からサポートさせていただきます。「最近少し変だな」と思ったら、ためらわずにぜひ一度お話しに来てください。

診療内容の詳細については「診療案内」のページも併せてご覧ください。

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