介護・在宅療養に関する相談
当院では、ご高齢の患者さんやそのご家族が抱える介護・在宅療養に関する相談に力を入れております。住み慣れた地域で健やかに自分らしく最後まで過ごし続けるためには、医療と介護の緊密な連携が欠かせません。当院では、生活習慣病の管理や認知症の診断、慢性疾患の継続的なフォローアップの診療はもちろんのこと、介護保険の活用方法やケアマネジャーとの調整・訪問看護の導入・病院での短期レスパイト入院の調整・通院から往診への移行、自宅での療養生活における不安など、多岐にわたるご相談を受け付けております。在宅での穏やかな看取りも当院では毎年数件は行っております。小さなクリニックであり高度な在宅医療はできませんが、「最後を家で」という希望をできる限り叶えたいと考えております。皆さんの「健やかな暮らし」を医療と介護の両面からサポートいたします。是非ご相談ください。
介護・在宅療養に関する相談で診る症状
介護や在宅療養が必要になる背景には、身体機能の低下や認知機能の変化など、さまざまな兆候があります。当院では、ご家族が「最近少し様子がおかしいな」と感じるような、些細な変化に関するご相談を大切にしています。具体的には、以下のような症状が見られる場合に、医療的な評価や介護サービスの検討が必要となります。
日常生活動作の変化
加齢や病気の影響により、以前は当たり前にできていたことが難しくなる場合があります。これらの変化は、適切な医療介入や介護サービスを受けることで、進行を緩やかにしたり生活環境を整えたりすることが期待できます。
- 歩行時にふらついたり、家の中で転倒したりすることが増えた・・転倒による骨折は、寝たきりの大きなリスク因子(病気になる可能性を高める要因)となります。
- 階段の昇り降りが困難になったり、外出を億劫がったりするようになった・・運動機能の低下だけでなく、心肺機能の低下が隠れていることもあります。
- 入浴や着替えに時間がかかるようになった、あるいは清潔保持に無関心になった。
- 食事の用意や掃除などの家事が一人で完結できなくなってきた。
認知機能や精神面での変化
「単なる物忘れ」だと思って見過ごされがちな症状の中には、認知症などの初期症状が隠れていることがあります。早期に相談していただくことで、適切なケアの方針を立てることが可能になります。
- 同じことを何度も聞き返したり、物の置き場所を忘れたりすることが頻繁にある。
- 時間や場所、知り合いの顔が分からなくなる「見当識障害」のような兆候がある。
- 以前に比べて怒りっぽくなったり、逆に意欲がなくなって何もしなくなったりした。
- 夜間に眠れず、夜中に歩き回るような行動が見られる。
もの忘れや認知症の不安については「もの忘れ・認知症」のページも併せてご覧ください。
身体的な不調や栄養面での変化
在宅で生活を続ける上で、栄養状態の維持や慢性疾患の管理は非常に重要です。食事量が減ったり、持病の管理が難しくなったりした場合には、早期の介入が望まれます。
- 食事の飲み込みが悪くなったり、食事中にむせることが増えたりした。
- 体重が急激に減少したり、体力が落ちて疲れやすくなったりした。
- 自分で薬の管理ができなくなり、飲み忘れや飲み間違いが目立つようになった。
- 足の浮腫(むくみ)や、慢性的な便秘・下痢など排泄の問題で困っている。
体がだるいなどの症状については「体がだるい・疲れやすい」のページで詳しく解説しています。
介護・在宅療養に関する相談で診る病気
当院では、介護保険の申請が必要な場合や、在宅での生活に不安がある患者さんに対して、主治医として疾患の管理を行います。特に、高齢者の方に多い疾患は長期的なケアが必要となるため、生活背景をふまえた継続的な診療が重要となります。
認知症とその関連疾患
アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症、血管性認知症など、認知症にはいくつかの種類があります。それぞれの原因に応じた治療やケアが必要です。当院では、認知機能の評価を行い、必要に応じて専門医療機関と連携して的確な診断に努めます。
診断がついた後は、症状を安定させるための内服治療や、ご家族の負担を減らすための介護サービス利用に向けたサポートを行います。症状が寛解(かんかい-症状が落ち着いて安定した状態)することは難しい疾患であっても、適切な環境設定により穏やかに過ごすことを目指します。
脳血管障害の後遺症
脳梗塞や脳出血などを発症した後、麻痺や言語障害などの後遺症が残った場合の在宅療養をサポートします。血圧の管理などを徹底し、再発を防止することが予後(よご-今後の病状の見通し)を良くするために極めて重要です。
高血圧の管理については「高血圧」のページを参照してください。
生活習慣病とフレイル
糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病は、加齢とともに管理が難しくなります。また、身体機能が衰える「フレイル」の状態になると、介護が必要になる可能性が高まります。私たちは、これらの疾患の適切な管理を行っています。
- 糖尿病・・血糖値の変動に注意し、低血糖のリスクを避けながら治療します。詳細は「糖尿病」のページをご覧ください。
- 心疾患・循環器疾患・・動悸や息切れ、むくみなどの変化を注意深く観察します。
- 慢性呼吸器疾患・・COPD(慢性閉塞性肺疾患)など、呼吸が苦しい場合の在宅管理をサポートします。
消化器疾患と栄養管理
消化器病専門医として、高齢の方に多い食欲不振や便秘、下痢などの相談にも対応しています。栄養状態が悪いと病状が悪化しやすいため、食事や排泄のケアは在宅生活の基盤となります。腹痛などの症状があれば、原因を調べ、重大な疾患の可能性を否定(ひてい-検査などでその病気ではないと判断すること)します。また東京医療センターでのがん患者治療の経験を活かし、かかりつけ医として病院で行っているがん治療のサポートも行います。
当院でおこなっている介護・在宅療養に関する相談の診療内容
藤山内科クリニックでは、患者さんが「自宅で安心して暮らし続けるため」の総合的な相談窓口として機能することを目指しています。
介護保険申請のための「主治医意見書」の作成
介護保険サービスを利用するためには、市役所へ申請し、要介護認定を受ける必要があります。その際、医師が作成する「主治医意見書」が非常に重要な役割を果たします。当院では、日頃の診察を通じて把握している患者さんの身体状況や認知機能を、詳細に反映させた意見書の作成に努めています。作成のためには診察が必要です。
ケアマネジャーや多職種との連携
良い介護サービスを受けるためには、医療機関とケアマネジャー、訪問看護師、ヘルパーさんとのチームワークが欠かせません。当院では、ケアマネジャー、訪問看護師からの相談に柔軟に対応し、情報の共有を電話やFAXだけでなく、web問診の機能を利用し密に連絡を行うことで、継ぎ目のないケアを実現します。担当者会議への出席や、必要に応じた指示書の作成なども行っています。
通院が困難な方への往診対応相談・在宅での看取りの相談
足腰が弱くなり、当院まで通うのが大変になってきた患者さんに対しては、今後の通院方法や、訪問診療への切り替えのタイミングなどの相談に乗っています。当院は小規模なクリニックだからこそ、患者さんの歩み寄りに合わせた柔軟な対応が可能です。当院では、長年住み慣れた我が家での穏やかな看取りを年間数件は行っております。小さなクリニックであり高度な在宅医療はできませんが、「最後を家で」という希望をできる限り叶えたいと考えております。水曜日午後を中心に往診を行っておりますが、看取りに関しましては、時間外も対応してます。ご安心ください。
介護者の介護に対する不安の相談
介護・在宅療養は、「介護される患者さんが中心」のように思われがちですが、介護者が健康を損なうと介護・在宅療養は成り立ちません「介護者が中心」です。「自分が頑張ればいい」、「頑張りが足りない」、「人には頼って迷惑をかけてはいけない」など思って疲れてませんか?介護は終わりの見通しは立ちません。年々負担が増えていきます。人を利用してください。当院では介護者の心の声に傾聴することを大切しております。「患者に対してこんなことは思ってしまった」「介護の不満・不安を発散するところがない」些細なことでもご相談ください。
お薬の管理と調整
複数の医療機関にかかっていると、お薬の数が増えてしまいがちです。当院では、飲み忘れを防ぐために「一包化(ひとまとめにパッキングすること)」の指示を出したり、お薬の形態を工夫したりすることで、在宅でも確実な服用ができるよう調整を行います。
介護・在宅療養に関する相談についてのよくある質問
Q1.介護保険の申請をしたいのですが、まず何をすればよいですか?
A1.まずは当院の受診時に医師へご相談ください。お身体の状態を確認した上で、お住まいの地域の地域包括支援センターや区役所の高齢・障害支援課への相談をご案内します。当院が主治医として意見書を作成する準備も進めさせていただきます。
Q2.親のもの忘れがひどくなってきたのですが、本人が受診を拒んでいます。どうすればよいですか?
A2.ご家族だけで悩まず、まずはご家族のみで相談に来ていただいても構いません。普段の生活のご様子を伺い、どのように受診へ繋げるのがよいか、また、現在どのような介護サービスが利用できそうかを一緒に考えましょう。
Q3.病院を退院した後、自宅で過ごせるか不安です。相談に乗ってもらえますか?
A3.はい。病院のソーシャルワーカーやケアマネジャーと連携し、退院後の医療的なフォローを当院で引き継ぐことが可能です。自宅での療養に必要な処置や、お薬の継続について丁寧にご説明いたします。
Q4.介護が大変で、家族である私自身が疲れ果ててしまいました。
A4.ご家族の健康が在宅介護を継続的に行っていくうえでは非常に大切です。介護負担を軽減するために「ショートステイ(短期入所)」や「デイサービス」などのサービスを増やす調整をケアマネジャーに提案することもできます。医師が介在することでスムーズに進みますので、遠慮なくお話しください。また必要に応じて「病院での短期レスパイト入院」も調整します。
当院の介護・在宅療養に関する相談診療について
当院では、地域密着のかかりつけ医として、医療と介護の橋渡し役を担うことを使命と考え、多くの高齢患者さんの診療に携わってきました。
私たちの強みは、患者さん一人ひとりの顔が見える規模でのきめ細やかな診療です。大きな病院では相談しにくいような生活上の困りごとや、ご家族の不安に対しても、時間をかけて耳を傾けることを大切にしています。妙蓮寺周辺にお住まいの皆さんが、いつまでも安心して自宅で過ごせるよう、多職種と手を取り合いながら全力でサポートいたします。
私たちは、病気だけを診るのではなく、その背景にある「暮らし」全体を支えたいと願っています。もし、ご自身やご家族のこれからの生活に不安を感じたら、どんな小さなことでも構いません。当院へ、いつでも気軽にご相談にお越しください。患者さんとご家族が笑顔で過ごせる時間を少しでも長くできるよう、共に歩んでいきましょう。
詳細な診療内容については「診療案内」のページもご確認ください。皆さんのご来院を心よりお待ちしております。
