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胃腸炎

胃腸炎は、胃や腸の粘膜に炎症が起こる病気の総称で、一般的には「お腹の風邪」と呼ばれることも多い身近な疾患です。しかし、激しい嘔吐や下痢が続くと、体内の水分や電解質が失われ、日常生活に支障をきたすだけでなく、重い脱水症状を引き起こす恐れもあります。当院では、消化器病専門医である院長が、お腹の痛みや不快感に悩む患者さん一人ひとりの声を丁寧に伺い、適切な診断と治療を行っております。地域の皆さまが急な体調不良の際にも安心して頼れるかかりつけ医として診療に努めています。

当院では、単にお薬を処方するだけでなく、患者さんの生活背景や食事内容なども含めた総合的なアドバイスを心がけています。お腹の不調は、心理的なストレスや日々の食生活と密接に関わっていることも多いため、些細な変化でも気軽にご相談いただける環境を整えています。「この程度の腹痛で受診してもいいのかな」と迷われる必要はありません。消化器疾患の知識を活かし、患者さんの不安が少しでも早く解消されるよう、誠実に向き合ってまいります。

胃腸炎の症状について

胃腸炎の症状は、原因となるウイルスや細菌の種類、また患者さんの体調によって多岐にわたります。主な症状は消化器に関わるものですが、全身に影響が及ぶことも珍しくありません。

消化器に現れる主な症状

胃腸の粘膜が炎症を起こすことで、正常な消化・吸収の機能が妨げられ、以下のような症状が頻繁に見られます。

  • 下痢・・水のような便(水様便)や軟らかい便が何度も出ます。
  • 吐き気・嘔吐・・突然の激しい吐き気に襲われ、胃の中のものを戻してしまいます。
  • 腹痛・・みぞおちから下腹部にかけて、絞られるような痛みや鈍痛が起こります。
  • 食欲不振・・食べ物を見るだけで気持ち悪くなったり、お腹が張ったりして食欲がなくなります。

下痢や吐き気の詳細については「下痢・吐き気がある」のページを参照してください。

全身に現れる随伴症状

胃腸の炎症が強い場合や、感染性の要因がある場合には、お腹以外の場所にも症状が出ることがあります。

  • 発熱・・微熱から38度以上の高熱まで、炎症の程度により様々です。
  • 倦怠感・・体力が消耗し、全身がだるく感じられます。
  • 筋肉痛・関節痛・・インフルエンザのような節々の痛みを感じることがあります。
  • 脱水症状・・口の渇き、尿量の減少、立ちくらみなどが現れます。

お腹の痛みでお困りの方は「お腹が痛い」のページを、発熱がある方は「発熱がある」のページをそれぞれ参照してください。

受診を急ぐべき危険なサイン

多くの胃腸炎は数日で快方に向かいますが、中には高度な脱水や重篤な合併症を伴うケースがあります。以下のような場合は、早めに当院を受診してください。

  • 血便がある・・便に血が混じっている場合は、細菌性胃腸炎の可能性があります。
  • 激しい腹痛が続く・・痛みが強く、歩くのも困難な場合は精密な検査が必要です。
  • 水分が全く摂れない・・嘔吐が激しく、飲み物も受け付けない場合は危険です。
  • 意識が朦朧とする・・脱水や高熱により、意識がはっきりしない場合は緊急を要します。

胃腸炎の原因について

胃腸炎の原因は多岐にわたり、大きく分けると「感染性」と「非感染性」に分類されます。日常生活の中でこれらを完全に防ぐことは難しいですが、原因を知ることで適切な予防や対処が可能になります。

ウイルスによる感染

冬場に流行することが多く、非常に強い感染力を持っているのが特徴です。

ノロウイルス

冬季の食中毒や感染性胃腸炎の代表格です。少量のウイルスでも感染し、激しい吐き気や下痢を引き起こします。生牡蠣などの二枚貝の摂取や、感染した人の飛沫から広がることがあります。

ロタウイルス

乳幼児に多く見られますが、成人が感染することもあります。白っぽい水様便が出るのが特徴の一つで、脱水になりやすいため慎重な経過観察が求められます。

細菌による感染(食中毒)

夏場など、気温や湿度が高い時期に増える傾向があります。細菌そのものや、細菌が出す毒素によって発症します。

  • カンピロバクター・・加熱不十分な鶏肉などが主な原因となります。
  • サルモネラ菌・・生卵や肉類、ペットからの感染も見られます。
  • 病原性大腸菌・・代表的なものにO157があり、激しい腹痛や血便を伴うことがあります。
  • 黄色ブドウ球菌・・調理者の手指の傷などを介して食べ物の中で増殖し、毒素を作り出します。

非感染性の要因

ウイルスや細菌以外の原因でも胃腸の炎症は起こります。これらは個人の体質や生活習慣が大きく関係しています。

  • 暴飲暴食・・アルコールの過剰摂取や冷たいものの摂りすぎ、脂っこい食事は胃腸に負担をかけます。
  • 薬剤の副作用・・痛み止め(解熱鎮痛薬)や抗生物質などが胃腸の粘膜を荒らすことがあります。
  • 食物アレルギー・・特定の食品を摂取した際に、免疫反応として胃腸症状が現れることがあります。
  • 心理的ストレス・・自律神経の乱れにより、胃腸の動きが悪くなったり過敏になったりします。

胃腸炎の病気の種類について

胃腸炎は、その原因や経過によっていくつかの種類に分類されます。それぞれの特徴を理解することで、ご自身の体調管理に役立てることができます。

感染性胃腸炎

ウイルス、細菌、寄生虫などが体内に入り込み、胃腸で増殖することで起こります。周囲の人にうつる可能性があるため、衛生管理が非常に重要です。

冬はウイルス性、夏は細菌性が主流となります。特に集団生活の場や家族間での二次感染には注意が必要です。手洗いや消毒を徹底し、感染の拡大を防ぐことが大切です。

非感染性胃腸炎

病原体以外の刺激によって胃腸が炎症を起こすタイプです。

  • 急性胃炎・・お酒の飲みすぎやストレスなどで、急激に胃の粘膜が荒れる状態です。
  • 薬剤性胃腸炎・・服用しているお薬が原因で、下痢や腹痛が起こります。
  • アレルギー性胃腸炎・・特定の食べ物に対する拒絶反応として現れます。

慢性胃腸炎

症状が長期間にわたって続いたり、再発を繰り返したりする状態を指します。

ピロリ菌の感染や、ストレスによる「機能性ディスペプシア」、あるいは「過敏性腸症候群」などが背景に隠れていることがあります。長引くお腹の不調は、大きな病気のサインである可能性もあるため、自己判断せずに当院までご相談ください。

胃腸炎の治療法について

胃腸炎の治療は、主に失われた水分を補う「対症療法」が中心となります。当院では、患者さんの症状の重さに応じて、内服薬の処方や生活指導をきめ細やかに行います。

水分補給と脱水対策

胃腸炎治療において最も重要なのが脱水の予防です。嘔吐や下痢で失われた水分と塩分を効率よく補給する必要があります。

一度にたくさん飲むと吐き気を誘発するため、スプーン1杯程度の少量を、こまめに繰り返し飲むことがポイントです。経口補水液(OS-1など)は、人間の体液に近い成分バランスで調整されており、現在広く用いられている有効な手段です。

お薬による治療(薬物療法)

症状を和らげ、回復を助けるためにお薬を使用します。

  • 整腸剤・・腸内の善玉菌を補い、乱れた腸内フローラを整えることで下痢の改善を目指します。
  • 制吐剤(吐き気止め)・・激しい嘔吐を抑え、水分摂取を可能にするために使用することがあります。
  • 抗生物質・・細菌感染が明らかな場合や、重症化の恐れがある場合に、的確な判断のもと処方されます。
  • 胃粘膜保護薬・・胃の痛みが強い場合に、粘膜を保護し修復を助けます。

注意点として、ウイルス性胃腸炎の場合、強力な下痢止めを安易に使うと、体内のウイルスを排出するのを妨げてしまい、かえって予後(病後の経過)を悪くすることがあります。お薬の使用は、必ず医師の指導に従ってください。

家庭での食事療法

胃腸を休ませながら、段階的に通常の食事に戻していくことが大切です。

症状が激しい時(発症から半日程度)

無理に食べようとせず、胃腸を安静にします。水分補給に専念し、白湯、薄いお茶、経口補水液などを摂取してください。

少し落ち着いてきたら(吐き気が止まったら)

まずは、重湯、おかゆ、うどんなど、消化が良くエネルギーになりやすいものから始めます。具材は細かく刻み、柔らかく煮込むようにしてください。

避けるべき食べ物

胃腸が完全に回復するまでは、以下のような刺激物は避けるのが賢明です。

  • 脂っこいもの(揚げ物、ラーメン、肉の脂身など)
  • 食物繊維が多すぎるもの(ゴボウ、レンコン、海藻類など)
  • 香辛料などの刺激物(カレー、キムチ、唐辛子など)
  • カフェインやアルコール、炭酸飲料

胃腸炎についてのよくある質問

Q1.胃腸炎の時はお風呂に入っても大丈夫ですか?

A1.高熱がある時や、脱水症状がひどくフラフラする時は控えてください。症状が落ち着いていれば、ぬるめのお湯で短時間の入浴なら問題ありません。ただし、家族がいる場合は、浴槽内での感染を防ぐため、感染者が最後に入るなどの配慮をしましょう。

Q2.仕事や学校はいつから行けますか?

A2.一般的には、嘔吐や下痢が止まり、普段通りの食事が摂れるようになってから24時間程度経過していることが目安です。ただし、ウイルスは症状が消えた後も数週間便の中に排出されるため、職場や学校の規定を確認し、周囲への配慮を忘れないようにしてください。

Q3.嘔吐物はどのように処理すればよいですか?

A3.ノロウイルスなどの場合、乾燥した飛沫から感染することがあります。処理する際は、使い捨ての手袋やマスクを着用し、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を希釈したもので消毒してください。アルコール消毒はノロウイルスには効きにくい場合があるため注意が必要です。

Q4.市販の下痢止めを飲んでもいいですか?

A4.感染性の胃腸炎の場合、下痢は「体内の悪いものを追い出す反応」でもあります。安易に止めてしまうと、毒素が体内に留まり、症状を長引かせる可能性があるため、自己判断で服用せず、まずは当院を受診してご相談ください。

院長より

当院では、お腹の不調で来院される患者さんとの対話を何よりも大切にしています。胃腸炎は、多くの人が一生のうちに何度も経験する疾患ですが、その痛みの強さや辛さは決して軽んじられるものではありません。消化器病専門医として、科学的根拠に基づいた丁寧な診断を行い、患者さんが一日でも早く笑顔を取り戻せるよう全力でサポートいたします。

皆さまにとって、何かあった時に「藤山先生のところへ行けば大丈夫」と思っていただける存在でありたいと願っています。胃腸炎だけでなく、生活習慣病の管理や介護の相談など、幅広く健康を支えるのが私たちの役割です。小さな不安や疑問であっても、遠慮せずにぜひお話しください。

当院は小規模なクリニックだからこそ、患者さんの細かな体調の変化に気づきやすく、一人ひとりに合わせた柔軟な診療が可能です。もし、詳しい検査が必要な場合には、地域の連携病院を迅速にご紹介できる体制も整えています。お腹のことでお困りの際は、まずは私たち藤山内科クリニックにご相談ください。

当院の診療案内については「診療案内」のページを、初めて受診される方は「初診の方・久しぶりに受診される方へ」のページを参照してください。

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